聖なる嘘つき(ネタバレ)


月曜の晩はもちろん映画日和です。

駄菓子ののし梅さんを片手に鑑賞(*´∀`*)

今回は少し気になっていた作品、聖なる嘘つきです。

アメリカのドラマ映画。ペテ・カソヴィッツ監督、ロビン・ウィリアムズアラン・アーキンボブ・バラバンリーヴ・シュレイバー出演。ユーレク・ベッカー英語版の小説『ほらふきヤーコプ英語版』を原作にしている。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/聖なる嘘つき/その名はジェイコブ

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119分なので長さはまぁまぁ。

普段吹き替え版では見ないんですが設定する間も無く日本語+字幕だったのでこのまま。




CMもなくすぐさま本編。

舞台は1944年の冬、ポーランドのどこか。


冒頭から胸に星を縫い付けた元パン屋ユダヤ人のジェイコブ・ハイエムという男が塀の外から飛んできた新聞紙を追う様子が描かれる。


新聞紙はまるでジェイコブを導いているように飛び回りますがふと気がつくと目の前には見せしめとして処刑されたユダヤ人。

音楽はとてもコミカルで聞いているだけだとまるでホームアローンの様な映画。

でも目を開けると冷酷な真実。


何と日が暮れるまで新聞紙を追いまわ掴もうとしたところ見張り役のドイツ人に見つかってしまいます。

厳しい外出禁止令。

司令部に20時すぎて外出したことを報告しろ!と強く促されます。


しかしここのラジオを聴いてロシアがすぐポーランドの近くに向かっていることを知ります。


そんなラッキーな情報をキャッチしたのも束の間、ゲットーと司令部の狭間の道に締め出されてしまう。

そこでちょうど収容所行きの汽車から逃げ出した女の子と遭遇。一緒に逃げ回ります。


そして命からがらゲットーの中へ。身寄りのない女の子(リーナ)を家に泊めることに・・。


翌朝ジェイコブの周りでは馬が死んでいてその肉を求めて群がったりドイツ兵に棒で殴られる人。この時代ならではの日常風景ですね。昔に借りたレニングラードでもロシアで飢えた住民らが瀕死の馬の腹を掻っ切り肉を奪う様子が描かれていたことを思い出します。

そんな中ロシア軍がくる♫ベザニカ♫と口ずさみながらコワルスキーのところで髭剃りと散髪をしに向かう。

ドアを開ければコワルスキーが今の現状に絶望し丁度首吊りしようとしていた。

毎日髭剃りに来やがって、このやろう、パンケーキ食わしてやるからなんてやりとりしつつ何だかんだうまく言いくるめ自殺を食い止める。


ドイツ兵の合図によりユダヤ人の男連中は作業場の倉庫に運ばれ、強制労働。

強制労働はドクターも年齢も関係ないからね。二人一組で仕事する感じみたい。


途中ミーシャって男が出てきます。

ミーシャは男前の上ガタイが良いけど、汽車の荷台に抜け穴を掘ったり見張りのドイツ兵をぶん殴ろうとするからジェイコブは常にヒヤヒヤ。ミーシャの行動を止めるためにロシア軍の話をラジオで聞いたとつい話してしまう。 

所々家にミーシャのボクサー時代のポスターが貼ってます。

ミーシャは付き合っている子の家に遊びに行き、娘を下さい!と懇願しに行くが敢え無く失敗。ユダヤ人であるが故に未来がないと反対される。しかしミーシャはロシア側がベザニカまで来ていることを喋ってしまう。

その話題は仕事仲間にも。もうユダヤ人の間にすぐひろまってしまいます。


コワルスキーの理容院でもラジオをもっていることを問い詰められる。ミーシャばかーー(;ω;)残念なイケメン。もうジェイコブはラジオ所持者扱い。情報が欲しいユダヤ人らは引っ切り無しにジェイコブ。ジェイコブ。


そんな最中収容所行きの汽車が停止。

中に人がいることを知り、ロシア軍の情報を伝えようとヒゲ面のユダヤ人の一人、ハーシェルが汽車に駆け寄るがすぐに射殺。ヒゲ面ユダヤ人の兄がジェイコブを指しお前の情報せいだ!と激怒。


ジェイコブはもちろん落ち込み、すり寄るユダヤ人の一人サミュエルに俺は嘘つきだ!と怒る。

コワルスキーも冗談を言って慰めるも聞く耳持たず状態。


家ではすっかり住み着いてしまったリーナと共同生活。慣れた様子で料理を振る舞う。

ジェイコブの皿に料理を盛り付けるもリーナがよそ見をする内にリーナの皿に。


妻をドイツ兵に殺され、ポテトパンのカフェを経営していた過去を持つジェイコブに

御給料はいらないから好きなだけパンを食べさせて!」

無邪気にリーナはいいます。ジェイコブはハンナとの間に子供はいないためか次第に娘のように接するようになりました。


 向かいに住むミーシャは結婚が許されていない彼女を家に誘おうとしていた。


はじめの方からちょこちょこ出ていた白ひげの高齢サミュエル(見た目からもう死にそう)はロシア軍を信じていたがジェイコブに来ないと言われショックで死んでしまう。


ジェイコブは真実をつきつけ死んだサミュエル、存在しないラジオのニュースを信じて死んだハーシェルの事を思い悩みます。

どうすれば、、、。

それでも飢えと絶望に支配され、希望のない日々、、そこであたかもロシア軍が助けてくれる!!と匂わせる発言をした所、

ミーシャらの目は輝き、小さな希望を持ち始める。


ミーシャはジェイコブがラジオを待ってると思い、彼女そっち退けで捜査開始。

そのころリーナが体調不良のためジェイコブはドクターの家へ。ミーシャも尾行する。

リーナの診察をお願いしに行くがドクターの棚の薬は空っぽ。から瓶しかない。

ドクターはラジオの件を嘘だと見抜いていたが、どんな薬よりも一番の薬は君の嘘だという。

ドクターはそういい、リーナの診察をしに行くことを了承する。そのころジェイコブがラジオを聞いてよからぬ事を起こすのではないかと恐れたコワルスキー率いる仕事仲間らがジェイコブの家に侵入。ラジオを探し回る。診察を無事に終えたころコワルスキーらと遭遇。しかしちょうど停電したためラジオはつかない。そうしてなんとか逃れられます。

しかし後日理容院に来ていたジェイコブの元にミーシャも加えて仕事仲間らが来る。

ラジオをここにもって来れば見れるじゃん!って言い出すが誰もラジオを家から持ち出せない。見つかるリスクが高すぎる。。

リーナはラジオの存在を知り、聴きたいとジェイコブに言い出す。

ジェイコブはドイツ軍に占領される前に経営していた地下のカフェにリーナを呼ぶ。

椅子から立ち上がらなければラジオが聞こえてくるなんて嘘をいいますがリーナはすっかり信じ切って傾聴します。

そこで陰に隠れラジオの真似事をリーナに信じて貰おうとして優しい嘘をつく。

リーナはニコニコとその嘘に耳を傾けるのでした。

ミーシャはジェイコブ家に来ますがその時にリビングに皿が二つ用意されている様子を見て誰か匿っているとヒートアップし言いふらす。

ジェイコブ何としても新たな情報が欲しいためドイツ兵御用達のトイレへ。

ちり紙がドイツの新聞なんですね。こもって情報収集。


そんな中ドイツ兵の皆殺しのハートロフという異名をもつ男が現れ、いよいよユダヤ人は始末される。どうするんだ、、行動を起こそう!

ゲシュタポが容赦なく迫り来る中仕事仲間らはドクター家に集まり、ジェイコブを筆頭に戦うことを決意する。

そんな最中ゲシュタポが来客。ドクターだけハートロフの発作の悪化のため呼ばれた。

しかしドクターはいう。あなたを助けると僕の仲間が殺されてしまう。

ハートロフは俺を助けてくれたらお前だけ生かすと持ちかけるがこれも拒否。またラジオの持ち主を教えろと問われるも決して口を割ることなく世界一の心臓専門医のドクターはその場で自殺を図る。最後まで清いユダヤ人として死んだのでした。

このシーンにこのドクターの講義を聞いたというドイツ兵がいて一瞬戦争を忘れられたシーンが印象的でした。


さぁ腹いせのごとく一斉に家という家を探し回るドイツ兵。

ありもしないラジオを探し人質をとり、いよいよ動けなくなる。


ジェイコブはついにコワルスキーに本当のことを話す。

願いを込めた嘘。。怒るかと思いきやコワルスキーは大笑い。

その様子をリーナは見ていた。そして家族にももう会えない、嘘だと気づく。

コワルスキーは静かに家に戻り、使わなかったロープを再び待ちだす。そして鏡に希望を与えてもらったことで少し長く生きられたことを書き留め、首にロープをかけたのでした。


ジェイコブは決断する、リーナを大切なものといいミーシャに引き取らせることにした。

そしてジェイコブは司令部へ出頭。


翌朝ドイツ軍は隅から隅までユダヤ人を探し出し連行する。


ミーシャと彼女は列から離れ大切なものを探しにジェイコブ家へ。

ジェイコブは司令部でラジオのことを伝えるが信じてもらえず痛々しい拷問を受ける。

ついにラジオを司令部で聞いたと話す。対応したドイツ兵は以前外出禁止令で対応したことある男だった。ユダヤ人にラジオを聞かせてしまったことは重罪じゃないか?ジェイコブはそう持ちかける。

余談ですがこの時のドイツ兵はあの軍服のしたに黄色いシャツを着ていてとても新鮮でした。ポーランドに常駐するドイツ兵だけ?


翌朝集められたユダヤ人の群衆の前ジェイコブは司令官に連れられ壇上へ。


しかし何も語ることなくジェイコブは笑って銃撃。その様子を見ていたリーナは叫びます。雨の中一人死体となったジェイコブが横たわり、

群衆らは汽車に押し込まれ収容所送りになりました。

そして真実か嘘か。リーナの目の前にはロシア軍の戦車や音楽隊。

真っ赤なドレスをきて綺麗に着飾った踊り子がこちらをみて問いかける。


収容所行きの汽車は奇跡的にロシア軍に止められ、無事に生還。



したかもしれない。いや、最後のリーナの潤んだ瞳はそうであってほしいと語っていたのかもしれない。


感想

主演のロビン・ウィリアムズさんはどこかで見たけど忘れてしまった、、過去の作品をたどると映画ジュマンジに出演されていたんですね!中々顔を覚えられない私ですがこれはピンときました。2014年8月に自ら命を絶たれ亡くなられたそうです。レビー小体型認知症のためパーキンソン症状に苦しまれたようです。こうやって映画でその俳優さんの歴史を辿れる事は悲しくもあり、とても感慨深いものだと感じます。

聖なる嘘つきは映画の中でかなり説明が多く、脇役の名前が覚えられない私でも覚えられるほど分かりやすい映画でした。またセットや当時のドイツ軍の容赦ない非人道的な扱い方までおそらく忠実に描写されています。

1999年の映画ですが画質も良いので今の時代でも古ぼけない素敵な映画です。

ユダヤ人視点の映画って割と流れが決まりがちなものが多いように感じますが、この映画は少しコミカルな見せ方が多く非現実的な部分とリアルな部分を混ぜ合わせているので観る立場からするとより残酷さが増して見えます。原作が読みたくなりました。


ミーシャがあの状況下であっさり大切なものを受け取ってしまうというところは少し強引に感じましたが、、。


いつ終わるかわからない地獄のような時代で希望の持てる嘘をついたジェイコブの人生はきっと無駄じゃなかった。


おすすめ度☆★★★★

ストーリー度★★★★★

胸糞度☆☆★★★


ブログが長すぎました。でもまた書きます、ネタは豊富ですが思い出しつつは難しいですね_(┐「ε:)_

でも興味を持って読んでくださった方ありがとうございました!